ペットの命を守るために…

ペットの室内飼育が増えた今日ですが、日ごろの外出(散歩、動物病院、トリミング、ドッグランなど)、不測の事態(脱走、災害時の避難など)や虫が室内に侵入した際に危険な感染症にかかる可能性があります。

予防できるものばかりではありませんが、予防できるものに関してはペットの命を守るためにも予防をお勧めしています。

狂犬病予防注射

狂犬病はほとんどすべての哺乳類に感染し、人や犬では発症後はほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。

日本は、現在は清浄国(特定の伝染病が発生していない国)ですが、発生や蔓延を防止するために狂犬病予防法とその関連法規により、生後91日以上の犬には登録・各種届出、年1回の狂犬病予防注射、鑑札と注射済票の装着が義務づけられています。

これに違反した場合は20万円以下の罰金の対象となります。

狂犬病予防注射の実施は毎年4月~6月と定められていますが、この期間以外でも実施可能です。

登録や各種届出などの詳細は、管轄する市区町村にご確認ください。

札幌市
犬の登録と狂犬病予防注射

https://www.city.sapporo.jp/inuneko/main/touroku.html

混合ワクチン接種

複数の危険な感染症を予防することができます。

子犬や子猫では生後2か月から1か月ごとに3回の混合ワクチン接種をお勧めしています。

1歳以後は、犬では1年に1回、猫では生活環境によって1年に1回、もしくは3年に1回の混合ワクチン接種をお勧めしています。

当院で扱っている混合ワクチンは以下の通りです。接種するワクチンの種類はペットの生活環境によって異なるので獣医師にご相談ください。

犬のイラスト
犬6種混合ワクチン
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬ジステンパーウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス(2型)感染症
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症
  • 犬コロナウイルス感染症
犬10種混合ワクチン
  • 犬パルボウイルス感染症
  • 犬ジステンパーウイルス感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス(2型)感染症
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症
  • 犬コロナウイルス感染症
  • 犬レプトスピラ感染症(4種類)
猫のイラスト
猫3種混合ワクチン
  • ウイルス性鼻気管炎
  • カリシウイルス感染症
  • 猫汎白血球減少症

犬フィラリア症予防

犬フィラリア(犬糸状虫)は、蚊によって媒介される犬の心臓内の寄生虫です。この寄生は本州では従来から非常に多く見られますが、夏の短い北海道でも、条件がそろうと感染する危険性があり、動物病院ではその予防をお奨めしています。

予防方法は毎年血液検査をしてフィラリア感染の有無を確認してから月に一度、虫下しを飲ませます。予防期間ですが、「蚊を見かけたから犬フィラリア予防薬を飲まなきゃ…」と思っていませんか。蚊の飛翔の時期と犬のフィラリア症の流行の時期は同じではありません。犬フィラリアを媒介する蚊の体内でフィラリア幼虫(ミクロフィラリア)が成熟するために必要な積算温度の単位(HDU)を算出(平均気温が14℃を何度越えたかを調べて直近30日分を加算します。)し、その合計が130を越えている期間が感染期間といわれています。感染期間以外の時期の蚊は犬フィラリアを媒介しません。過去の気温から算出された札幌の予防期間を当院では7月から11月までとしています。昨年の秋以降に生まれた子犬については、今年の検査の必要はなく月に一度の投薬のみとなります。

また、フィラリア検査で採血した血液で健康診断ができます。フィラリア検査は専用のフィラリア抗原検出キットで行なっています。健康診断の血液検査は動物専用の検査センターを用いて行なっています。血球計算+生化学19項目で実施していますが、甲状腺ホルモン測定を追加することができます。毎年の採血ですので有効にご活用ください。


フィラリア症予防バナー

外部寄生虫予防

犬と猫の外部寄生虫としては、ノミ、ダニ、シラミ、マダニが知られています。

これらは寄生することで痒みや皮膚炎を起こすことがありますが、吸血されると貧血や様々な感染症を引き起こす可能性もあります。

また、寄生虫やそれらによる感染症の中には人にも感染するものがあり、定期的な駆虫や予防は非常に重要です。

当院では、犬は内服薬か滴下薬、猫は滴下薬を使用していただきます。

去勢・避妊手術

犬や猫の雄では精巣を切除する去勢手術、雌では卵巣と子宮を切除する避妊手術を行うことで、以下のようなメリットがあります。

  • 予期せぬ交尾による妊娠の予防
  • 雄では精巣・前立腺・肛門周辺の病気の予防
  • 雌では卵巣・子宮・乳腺の病気の予防
  • 一部の問題行動の改善や予防
  • 様々なリスクを避けることによる寿命の延長

特に子犬の時期に去勢・避妊手術を行うことで効果が上がります。

デメリットとして手術自体の負担に加えて、去勢・避妊手術後は肥満傾向(適切な栄養管理で予防可能)や尿失禁(発生は稀であり、場合によっては治療が必要)が出ることがあります。